
「パッシング」という運転のサイン、皆さんは正しく使えていますか?
教習所では習ったけれど、「意味が曖昧…」「使うのが怖い…」と感じているペーパードライバーの方も多いのではないでしょうか。
パッシングは、対向車や周囲の交通とコミュニケーションをとるための大切な手段です。間違った使い方をすると、思わぬトラブルや違反につながることもあります。
この記事では、ペーパードライバーの方でも自信を持って使えるよう、パッシングの正しい意味とシーン別の使い方、そして注意点を分かりやすく解説します!
運転マナーを身につけて、安全でスマートなドライバーを目指しましょう!
監修:株式会社 運転予備校
パッシングとは何を伝えるサイン?
パッシングとは、ヘッドライトを一瞬だけ点灯・消灯させる行為のこと。
多くの国産車の場合、ハンドルの右側にあるウインカーレバーを手前に引くことで、簡単に操作できます(通常は、レバーを手前に引くとハイビームが一瞬点灯します)。
この光のサインは、運転者同士が非言語で意思疎通するためのもので、主に以下の3つの意味で使われます。
- 感謝・あいさつ:道を譲ってもらったときなど
- 注意・警告:危険を知らせるときなど
- 譲り合い・促し:相手に「どうぞ」と道を譲るときなど
注意したいのは、パッシングには「法律で定められた唯一の正しい意味」があるわけではない、ということです。お互いの解釈に委ねられる部分があるため、使い方や状況を間違えると、かえって誤解を招く原因にもなります。
シーン別の使い方(感謝・警告・譲り合い)

具体的な運転シーン別に、パッシングの正しい使い方を見ていきましょう。
感謝・あいさつのパッシング
道を譲ってもらったり、親切にしてもらったりした際に、「ありがとう」の気持ちを伝えるために使います。
- 例: 対向車が自分の右折のために停車して待っていてくれたとき。
- 使い方: 相手に会釈をしながら、軽く1〜2回パッシング。
ポイント
クラクション(警音器)と違い、パッシングは音が出ないため、夜間や住宅街でも周囲の方々に不快感を与えずに感謝を伝えられるスマートな方法です。
警告・注意のパッシング
相手の車に危険な状態や交通違反につながる状況があることを知らせるために使います。
- 例1: ライトの消し忘れ:夜間、対向車がライトを消したまま走行しているとき。
- 例2: ハイビームの切り替え促し:対向車がハイビームのまま接近してきて、眩しいとき。(相手にロービームへの切り替えを促します)
- 使い方: 相手に気づいてもらえるように、数回パッシング。
要注意
危険を知らせるためのパッシングは、相手を威嚇するようなしつこい回数にならないよう注意しましょう。使い方によりトラブルや交通事故を発生させる危険性があります。
譲り合い・促しのパッシング
相手に「お先にどうぞ」と道を譲るときや、「今が発進のタイミングですよ」と促すときに使います。
- 例1: 右折の譲り合い:渋滞中など、対向車に右折車がいて、自分が譲るとき。
- 例2: 駐車場から出ようとしている車への譲り:駐車場から本線に出ようとしている車に、「どうぞ出てきてください」と合図するとき。
- 使い方: 軽く1回、または2回パッシング。相手が動き出したら、会釈や手振りで「安全に気をつけて」と伝えましょう。
NG例と誤解されやすい場面

パッシングは便利なサインですが、使い方を間違えるとトラブルや道交法違反になる可能性もあります。
絶対に避けたいNG例
| NGな使い方 | 起こりうるトラブル/違反 |
| 威嚇・煽り運転:前にいる車に対して、必要以上に何度もパッシングする。 | 交通トラブル、あおり運転(妨害運転罪)とみなされる可能性。 |
| 不要なハイビーム:対向車や先行車がいる状況でハイビームを使う。 | 道路交通法違反(減光等義務違反)。相手を眩惑させ、事故を誘発する危険。 |
誤解されやすい場面の注意点
特にペーパードライバーの方が迷いやすいのが、交差点でのパッシングです。
- 「直進優先」の原則を忘れない!
パッシング=「直進車が譲る」という意味で使う人が多いですが、原則として直進車が優先です。
パッシングをしたからといって、右折車に「絶対的な優先権」が発生するわけではありません。譲られたからといって、安全確認を怠ると事故につながります。 - 譲り合いは「状況が安全なとき」だけ
譲る側も譲られる側も、「譲り合いはあくまで親切心」であり、周囲の交通状況をよく見て、安全に発進できるタイミングで動きましょう。
初心者が迷いやすいライト操作の基本

ペーパードライバーの方にとって、パッシングも含めたライト操作は少し複雑に感じるかもしれません。
ここで基本をおさらいしておきましょう。
| 操作 | 目的 | タイミング |
| ロービーム (下向き) |
前方40mを照らす。 |
対向車・先行車がいる場合や交通量の多い市街地での走行。 |
| ハイビーム (上向き) |
前方100mを照らす。 | 交通量の少ない道や、高速道路などを走行中。 対向車や先行車がいないとき。 |
| パッシング | 一時的なコミュニケーション。 | 感謝、注意喚起、譲り合いの合図。 |
日本の道路交通法では、夜間は「常にハイビーム(上向き)が基本で、対向車・先行車がいる場合はロービーム(下向き)に切り替えなければならない」と定められています。
状況に応じてこまめに切り替えるのが、安全運転の基本です。
ペーパードライバー講習で学べる運転マナー
「運転マナー」は、安全運転と同じくらい大切です。
- 譲ってもらったときのサンキューハザード(感謝のハザードランプ点滅)
- 駐車時の歩行者や隣の車への配慮
- 渋滞時などに車間距離を詰めて威圧しないこと
これら全てが、円滑な交通と事故防止に繋がります。
ペーパードライバー講習では、今回のパッシングのような「現場で役立つ実践的な運転マナー」や「周囲のドライバーとの円滑なコミュニケーション方法」を、インストラクターが丁寧に指導してくれます。
「自己流で運転マナーが不安」「もっと自信を持って運転できるようになりたい」という方は、ぜひ一度、講習を検討してみてください。
ペーパードライバーナビでは、あなたの街のペーパードライバー講習を検索できます。ご自身の地域や目的に合ったスクールを、ぜひ見つけてくださいね!
本記事は、株式会社 運転予備校のインストラクター・横倉さんの監修のもと作成しています。
年中無休で予定に合わせてOK!自宅からスタートできる実践ペーパードライバー講習

【保有資格】
中型運転免許 /大型運転免許 /普通自動二輪運転免許 /大型二種免許
教習指導員資格 /技能検定員資格

