AT車の基本的な操作方法とよくある「うっかりミス」の対処法

オートマ車(AT車)は、ギアチェンジが自動で行われるため、運転が比較的簡単で、特に初心者や久しぶりに運転する方にとっては扱いやすい車です。

この記事では、オートマ車(AT車)の基本的な操作方法から、よくある「うっかりミス」とその対処法、そして安全に運転するための練習ポイントまで、分かりやすく解説します。

オートマ車(AT車)の基本をしっかり理解し、自信をもって安全なドライブを楽しみましょう!

監修:ペーパードライバーサポート愛知

オートマ車(AT車)とマニュアル車(MT車)の違いをサクッと比較

どちらが優先

AT車とは、オートマチック・トランスミッション(自動変速機)を搭載した車、通称「オートマ車」のことを指します。

オートマ車(AT車)とマニュアル(MT車)の最も大きな違いは、「ギアチェンジの操作」です。

マニュアル(MT車)では、運転手が「クラッチ」を踏んでギアを手動で変える必要がありますが、オートマ車(AT車)にはクラッチペダルがなく、ギアチェンジはすべて車が自動で行ってくれます。

この違いこそが、オートマ車(AT車)が「運転しやすい」と言われる理由です。

特徴 オートマ車(AT車) マニュアル車(MT車)
ギアチェンジ 自動 手動
操作ペダル アクセル・ブレーキの2つ アクセル・ブレーキ・クラッチの3つ
運転の難易度 簡単 難しい
渋滞時の運転 疲れる

AT車操作の基本!ギア・ブレーキ・アクセルを再確認

オートマ車(AT車)の運転操作は、基本的に「ギア」「ブレーキ」「アクセル」の3つだけ。これらを正しく理解すれば、もう大丈夫です!

 

1. ギアの4つの基本ポジション

オートマ車(AT車)のシフトレバー(レンジ)にある、4つの基本ポジションとその役割を確認しましょう。

ポジション 役割 使い方・シーン
P
(パーキング)
駐車 エンジンを止めるときや、長時間駐車するときに使用します。必ず使用しましょう。
R
(リバース)
後退 バック(後退)するときに使用します。
N
(ニュートラル)
中立 エンジンをかけたまま、車を動かしたくないとき(例:牽引時、短い停車時)に使いますが、基本的にはあまり使いません。
D
(ドライブ)
前進 通常の走行(前進)時に使用します。
 

2. ペダル操作の基本

  • ブレーキ:車を減速・停止させるために使います。停止時は、車が動かないようしっかり踏み込みましょう。
  • アクセル:車を加速させるために使います。
重要

オートマ車(AT車)は、足をブレーキから離すと、アクセルを踏まなくても車がゆっくりと前に進む性質があります(これをクリープ現象と呼びます)。これが原因で事故になることもあるため、停車時は、必ず右足はブレーキペダルに乗せておくことを習慣にしましょう。

「うっかりミス」を避ける!よくあるミスと対処法

オートマ車よくあるミス

久しぶりの運転で、ついうっかりやってしまいがちなミスと、その予防法をご紹介します。

 

1. 信号待ちで車が進んでしまう

よくあるミス: 信号待ちでブレーキを軽く踏んでいる。

結果: ブレーキの踏み込みが甘いと、クリープ現象で車がゆっくりと前進し、前の車に追突する危険があります。

対処法: 停車中は、ブレーキをしっかり奥まで踏み込むことが基本です。

「ニュートラルでの停車」は非推奨?

村岡さん:教習本では、信号待ちの際に「サイドブレーキをかけてギアをN(ニュートラル)にする」方法が紹介されることがあります。しかし、初心者やペーパードライバーの方には、この方法は積極的にはおすすめしていません。

その理由は、ブレーキランプです。

ブレーキランプの役割とは?

ブレーキランプは、「今、車を止めている最中ですよ」という合図を、後の車に伝えるためのものです。フットブレーキを踏んでいる間だけ点灯します。

N(ニュートラル)の落とし穴

ギアをNに入れると動力が伝わらなくなるため、ブレーキを踏まなくても車は停止します。しかし、ブレーキから足を離している間は、当然ながらブレーキランプは消えてしまいます停止中はブレーキランプを点灯させないと、道路交通法上もNGです。

なぜ危険なの?

  • 後続車から見ると、あなたの車が「信号待ちの停車中」なのか「路肩に駐車している」のかが判断できません。
  • 「駐車している」と勘違いされ、追い越そうとした後続車のタイミングであなたが発進してしまうと、非常に危険です。
  • クラクションを鳴らされて慌ててギアの操作(DとR)を誤り、前に進むつもりが後退してしまい、事故につながるケースも少なくありません。

ペーパードライバー講習では、教習所で教わることよりも、より実践的で、安全で快適に運転する方法をご案内します。

 

2. 駐車時のギア操作ミス

よくあるミス: 目的地に着いて、ギアを「P(パーキング)」に入れ忘れてエンジンを切る。

結果: 平坦な場所でも車が動いてしまう危険があり、坂道では特に危険です。

対処法: 運転を終える際は、「しっかりブレーキを踏む ギアをPに入れるサイドブレーキをかけるエンジンを切る」という一連の流れを必ず確認する習慣をつけましょう。

運転に自信をつける!発進・停止・坂道発進の練習ポイント

安全に運転するためには、基本動作を体に覚え込ませることが大切です。

 

発進・停止の練習

まずは人通りの少ない広い駐車場などで、ブレーキの踏み加減を練習しましょう。
オートマ車(AT車)はブレーキを少し緩めるだけで動き出すので、「止まる」操作を丁寧に行うことが、安全運転の第一歩です。

 

坂道発進の練習

坂道での発進は、マニュアル(MT車)ほど難しくありませんが、ブレーキを緩めると車が少し後退することがあります。

坂道発進のコツ
しっかりブレーキを踏んで停車する。
発進する直前に、ブレーキペダルからアクセルペダルに素早く足を移動させ、少し強めにアクセルを踏み込みながら、ブレーキの力を「エンジンの力」に切り替えるイメージでスムーズに発進します。
不安な場合は、サイドブレーキを併用し、発進と同時にゆっくり解除する方法もあります。

知っておくと安心!AT車の「マニュアルモード(MT付)」の活用術

ペーパードライバー克服

最近のオートマ車(特にCVT車)には、シフトレバーやハンドルに付いたパドルシフトで、運転者が手動でギアを選択できる「マニュアルモード(MT付)」が搭載されていることがあります。

これはスポーツ走行のためだけでなく、安全運転のためにも役立つ機能です。

 

ペーパードライバーにおすすめの活用シーンは、エンジンブレーキ

マニュアルモードの主なメリットは、エンジンブレーキを自分の意思で強く効かせられることです。

  • 長い下り坂の走行時 フットブレーキを使いすぎると、ブレーキが熱を持ち効きが悪くなる危険があります(フェード現象)。マニュアルモードでシフトダウン(ギアを下げる操作)をすることで、エンジンブレーキが強くかかり、フットブレーキの負担を軽減し、安全に減速・速度維持ができます。
  • 坂道発進の際の補助として このモードを使うことで、坂道での車の動きをよりコントロールしやすくなります。

「D(ドライブ)」に入れっぱなしで問題なく運転できますが、もし車にこの機能があったら、「長い下り坂で安全に減速するため」の機能として覚えておくと安心です。

自信を持って公道へ!ペーパードライバー講習のススメ

「やっぱり一人で練習するのは不安…」
「坂道発進や車庫入れなど、苦手な操作だけ集中的に習いたい!」

そんな方は、ペーパードライバー講習を活用するのが安全で確実です。

講習では、専門のインストラクターがあなたの運転レベルに合わせて、AT車の操作のコツや公道での注意点などを丁寧に指導してくれます。

 

講習を受けるメリット

  • あなたの運転の「癖」や「ミス」を客観的に指摘してもらえる。
  • 路上での実践的な運転感覚を安全な環境で取り戻せる。
  • 駐車など、特に苦手な項目を集中的に練習できる。

運転感覚を効率よく、そして安全に取り戻すために、ぜひお近くのペーパードライバー講習を探して、一歩踏み出してみましょう!

本記事は、ペーパードライバーサポート愛知のインストラクター・村岡さんの監修のもと作成しています。

ペーパードライバーサポート愛知愛知/三重/岐阜

ペーパードライバーサポート愛知
村岡さん

AT車・MT車、両方の講習可!自動車学校での運転指導経験を活かした、優しく分かりやすい運転レッスンが評判です。

【所持免許】
普通/準中型/中型/大型/大特/牽引
大型二種/大特二種/牽引二種
普通二輪大型二輪

【所持資格】
教習指導員資格(普通/準中型/中型/大型/大特/牽引)
※各車種の指導実績があります