ドライビングコーチShin-PIN

「運転する上で一番大事なことは、実は運転技術やテクニックではなく内面なんです。」 と語る、元警察官のドライビングコーチShin-PIN梶原さん。 ペーパー歴40年!のペーパードライバーも頼りにする梶原さんに、運転で大事なことを聞いてきました。

元警察官がペーパードライバー講習の指導員になったワケ

――元警察官という経歴をお持ちですが、ペーパードライバー講習の指導員になったきっかけは何ですか?

警察官時代に交通事故や違反を沢山見てきましたが、その原因の9割以上がヒューマンエラーなんですね。無知、未熟による操作ミスはほとんどない。

運転という素晴らしい手段を諦めていた方々に、運転には技術とかテクニックよりももっと大事なことがあるという事実を伝えたい。

そして警察官が一番大事にしている事故防止のための防衛運転というものを周知習得していただくことによって、その方やその周りの方々の生活に大きく貢献したいという想いから、微力ながらもその一助になるべく指導員の道を選びました。

警察官が実践している!事故防止のための運転方法

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――「防衛運転」「自衛運転」など、元警察官ならではの講習内容がありますが、どのようなものか簡単に教えてください。

警察官が実践している「防衛運転」とは

防衛運転の前提となるのが安全運転です。安全運転というのは、一般的に事故を起こさないように、事故に合わないように気を付けて運転しましょう、ということです。

防衛運転は、絶対に事故を起こさないという更なる高い注意力を常に心がけ、たとえ事故を起こしたとしても、相手への負傷、損傷程度がより少なく、また責任負担の過失割合の少ない方の第二当事者になるような走行を心掛けることです。

分かりやすく言えば、かもしれない運転ですね。出てくるかもしれないとか、そこにいるかもしれないとか、とにかく最悪の事態をいつも想定して、万が一接触したとしても非が少ない、相手の損傷が少ないような運転を心掛けるのが防衛運転になります。

交通違反で検挙されない為の「自衛運転」とは

違反で捕まらないように気を付けて運転するのが自衛運転です。

取締りをする上で感じたのは、みなさん悪気があって違反をしてない、ちょっとミスしちゃって違反で検挙される方の割合が多いんですね。気の緩みが違反の検挙に繋がってしまう。

違反しない運転も私のポリシーなので、経験上知りうるところで、こんな違反があるんだとか、そんなふうにして捕まるんだとか、捕まらない運転というよりは違反しないような模範運転を励行することもレクチャーします。

事故防止のための運転方法
  • 安全運転:事故に合わないように・起こさないように運転
  • 防衛運転:仮に事故が起きたとしても被害が最小限になるようにする運転
  • 自衛運転:交通違反にならないような模範運転

最後の頼みの綱!恐怖心があっても運転にチャレンジするミドルエイジ

ミドルエイジのペーパードライバー

――どのような人がペーパードライバー講習を受けていますか?

1番割合的に多いのは、恐怖心がものすごく強い人ですね。

それに加えてペーパードライバー歴が20年以上の40代50代ぐらいのミドルエイジの方が多いです。

――印象的なペーパードライバーはいらっしゃいますか?

最後の頼みの綱という方が多くいらっしゃいます。

最後の頼みの綱というのは2種類あって、一つは年齢的なところですね。50にもなって大丈夫だろうか、もうこれが最後のチャンスなのかもしれないと思われている場合です。

もう一つは教習所のペーパードライバー講習を受けたり、他の講習を受けたりしたけど、何か今一つすっきりしないところがあったり、もしくは身内に教えてもらったけど理解できず自信が持てないままできてしまった場合です。

それでも、最後の頼みの綱としてもう一回だけやってみようかなという方が結構いらっしゃいますね。

受講者層
  • 運転が苦手な理由:恐怖心が強い
  • 最多年齢:40~50代ぐらい
  • ペーパードライバー歴:~20年以上

最初に恐怖心を解きほぐす

――運転に恐怖心のあるペーパードライバーのためのレッスン内容を教えてください

恐怖心と言っても人それぞれ違って、漠然とした不安感もあれば、こういうところが怖いという具体的な不安感をお持ちの方もいらっしゃいます。ですから、まずその不安の対象と原因を明確にすることから始めます。

この不安な気持ちを解きほぐすというところが最初の作業になりますね。それに基づいて恐怖心を抱かないようなメンタル調整と、運転テクニックという2つの側面からレクチャーします。

[もっと深堀り!]レッスン内容の詳細

(1)恐怖心の原因探求と、運転に必要なメンタル調整をレクチャーします。

不安の対象と原因を明確にするために「何が恐いのか、どういう時が不安や恐怖を感じるのか」「その原因となる経験はあるのか」をしっかりヒアリングします。

その上で「年齢もブランクも運動神経も身体能力の経験も影響力は少なく、一番運転に影響するのは、内面です」とお伝えしています。

内面はその人の性格とメンタルです。メンタルバランスを保つことの重要性、不安定なメンタルが運転に及ぼす悪影響を知っていただきます。 そして、メンタルに影響を及ぼす2大要素(交通環境と同乗者)をお伝えして、初心者やペーパードライバーにこそ必要な2点の心持ちのお伝えをしています。

(2)「認知のコツ」をレクチャーして、あれもこれも見ないといけないという混乱と迷いを開放します。

(3)安全性を落とすことなく、必要な動作を最小限にして運転操作に集中して頂けるように指導しています。

(4)上記によって、心にゆとりが生じたことによって、認知や運転操作にゆとりが生まれることを体感していただきます。

エンジンがかけられない状態からスタートして、高速をバンバン走り回るように!

――ペーパードライバー講習を受ける前後で受講生にどんな変化がありますか?

そうですね、わたしの中で印象に残っているのは、当時58歳でペーパー歴40年の方です。初日はエンジンのかけ方も覚えていない、ブレーキとアクセルはどちらなのかも分からないといった様子でした。

これが最後のチャンスと頑張った結果、今では阪神間をバンバン走り回っています。駐車も一般の方より上手くなって、市街地の激しい車線変更もとてもスマートに運転できるようになりました。

――何も分からない状態から、どのくらいの時間講習を受けて一人で運転できるようになったんですか?

最初3時間×3回の9時間練習して、追加でもう1回3時間×3回の9時間受講されました。

だから合計18時間で、ほぼ一人で運転できるようになりましたね。

身に付いた運転スキル
  • 高速走行
  • 市街地での車線変更
  • 駐車
  • など

 
一人で運転できるまでの講習時間
  • 50代ペーパー歴40年の場合:18時間
  • ※エンジンのかけ方からスタート

身体的能力は関係ない!運転で大切なのは内面

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――ペーパードライバーや運転初心者に向けてアドバイスをお願いします

車の運転は、経験とか、慣れとか、性別とか、ペーパードライバー期間であるとか…身体能力もそう!そういうのは二の次で、関係ないですよ。

一番影響を及ぼす大事なところは、内面なんですね。内面というのは、その人の持ってらっしゃる性格とメンタルなんです。

毎日のように運転されるドライバーでも違反と事故を繰り返す方もいらっしゃれば、月に2回しか運転されない70代80代のご婦人の方でも、50年間無事故無違反の方も沢山いらっしゃるんですよね。

ですから、年齢も運転の空白期間も気にせずに、いくつになっても諦めずに挑戦していただきたいですね。

運転ができるようになると、誰かに頼らなくてもいいだけでなく、周りの人たちの役に立つこともあるし、生活にもう少し幅を広げることにもなります。是非、勇気を持って一歩を踏み出していただけたらと思います。

運転で大切なこと
  • 内面(性格とメンタル)が大切
  • 経験、慣れ、性別、身体能力、ペーパードライバー歴は関係ない

ペーパードライバーに後戻りしないためのシステムを目指して

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――今後こういうスクールにしていきたいという理想像があればお伺いしたいです

継続して月1回だけでも乗り続けることができるシステムをつくりたいです。

受講生の5割から6割くらいの方が車を持ってないんですよね。だから一番みなさんが心配されているのは、せっかく運転ができるようになったのに、運転の機会が得られなくてまた元のペーパードライバーに戻るんじゃないかという点です。

二度とペーパードライバーには後戻りさせないようなプランとシステムを構築して、時間的にも経済的にもご負担の少ない形での継続アフターサービスができたらと考えて、可能な限りで少しずつ始めています。

――実際にペーパードライバー講習後に継続して通っている方はいますか?

運転に少し慣れてきたとしても「抜けや誤りはないかチェックしたい」「時々でも運転する機会を設けておきたい」と、月に4回、2回、1回というようなペースで継続されている方々が複数人おられます。

わたしはもう十分ですよと言うんですけどね、いやまだまだですよと、毎月4回練習される方もいらっしゃるんですよ。

――すごいですね!毎月4回も!

やっぱり、みなさんペーパードライバーに戻ることへの不安をお持ちなんだと思います。講習が終わって数か月後、もっと経ってから受けに来られる方も沢山いらっしゃいますよね。そのような方を継続的にサポートするシステムを更に広げていきたいですね。

ペーパードライバーに後戻りしないためには
  • 継続して月1回だけでも乗り続けること

スクール紹介

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超実践主義と応用の効く駐車テクニックが好評!予約の絶えない人気スクール。

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梶原淳史インストラクター

[経歴]

  • 元大阪府警察警部補の警察官
  • 特殊部隊の隊長
  • 警察職員運転技能検定 難関最高ランクの「格付けA」を一発合格
  • 運転技能について多くの警察官を指導
  • 関西・関東に展開するペーパードライビングスクール所属後独立
  • 30年間超で全国を無事故で100万キロ超走破
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