ペーパードライバーでもある編集部Hが、みなさんと一緒に車の運転について学んでいくコーナーです。
第一回目は、ペーパードライバー講習でも駐車の次に希望する人が多い高速道路にフォーカスします!
高速道路の運転はシミュレーションだけの教習所もあるので、あまり乗る機会がなく習ったことを忘れてしまった…という人も多いのでは?
高速道路走行でこんなことがあったらどうしたらいいのか、対処法についておもいやりペーパードライバースクールの大瀧さんにお話を聞きました!
目次
パーキングエリア(PA)/サービスエリア(SA)は一方通行!
――SAには限定メニューや名物があったりするので、美味しいものを食べに立ち寄りたいです!目当てのSAが混雑していて停められなかったときは、もう一周して駐車スペースを探してもいいですか?
思わぬ事故に繋がり、駐車場内における逆走となり危険です。 諦めて次のPA/SAエリアに向かいましょう。 |
※PA/SA内での注意点:
様々な方が利用していることを想定して、周囲に気をつけましょう。
急いでいる方(最短距離での横断・前向き駐車が多く急なバックで出る方)、居眠り寸前の方、仮眠後寝ぼけ眼な方、トイレを我慢していて急な最短距離での横断、長距離ドライバーの集中力低下、車酔いをされた方の横断、海外旅行中の外国人観光客の横断、車の運転に慣れていない方、家族や友達と談笑しながらの横断、歩きスマホ等
ずっと追い越し車線を走るのは違反
――合流地点で追い越し車線に移動したあと、車線変更するタイミングがありませんでした。そのまま追い越し車線を走ってもいいですか?
追い越し車線をそのまま走行し続けると車両通行帯違反に抵触します。 ただし違反かどうかは現場の交通状況により判断されます。 |
高速道路の車間距離は3~4秒空けるのが目安
――高速道路での車間距離がイマイチつかめません…。なにか車間距離を確かめる方法はありませんか?
車間距離を3~4秒空けるようにするといいですよ。
時速100キロでは走行中100メートル以上の車間距離(停止距離)が必要です。時速100キロの車は1秒間に28メートル進むので、3~4秒数えると安全な車間距離が取れるんですよ。※走っている速度をメートルに読み替えます。 |
デリニエーターと呼ばれる道路の左右に設置されている視線誘導標は、ワン区間50メートルなので、これを目安にするのもいいでしょう。 下り坂や雨による湿潤路面では、より車間距離を広く取ってくださいね。 |
夜の高速道路では、ヘッドライトはハイビームが基本?
――夜の高速は車が少ないし、深夜割引も適用されますよね。夜のうちに出発したいですが、夜間は視界が悪くて見えにくいんじゃないかと緊張しています。ヘッドライトをハイビームにしたら他のドライバーに迷惑ですか?
夜間走行での前照灯の利用は、原則上向きなので ただ最近の車はライトのケルビン数が高くロービームでも明るいので、ハイビームにすると逆に反射材が眩しい場合があります。注意してくださいね。 |
高速道路の出口を通り過ぎてしまってもUターン・バック禁止
—-うっかり目的出口を通り過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
Uターン、バックで戻ることは重大事故に繋がる大変危険な行為です。 次のインターチェンジで降りて戻ってください。 |
逆走してしまったら、車を降りて安全な場所に退避
――考えたくないですけど、知らないうちに自分が逆走していることに気付いたらどうしたらいいですか?
万が一逆走してしまったら徐々に速度を落としつつハザードランプを点灯し、隙を見て路肩や退避路に移動して停車してください。 身の安全の確保のため車内に残らず車を降りて(車道と逆側)ガードレールの外側など安全な場所に移動してから110番や非常電話、道路緊急ダイヤルをしましょう。 後続車に早期発見を促すため、発煙筒及び停止表示機材(三角停止板)の設置をお忘れなく! |
こんな運転は危ない!実際にあった話しを聞いてみた
インストラクターが実際に目にした危ないドライバーや、リアルに体験した危険な出来事について聞いてみました!
どうしてここに?!道路に落下物
どうてこんなところに…と思う意外なものが、道路に突如現れることがあります。
今までわたしが実際に見た落下物は、バーストしたタイヤ片、ペットボトル、金属片、角材、大きなビニールシート、洗車ブラシ、脚立、靴、工事用ヘルメット、ごみ、三角コーン、毛布など。
落下物を避けられるように安全な車間距離と前走車の動きに注意しましょう。
落下物を見つけたら
・本線やSA/PAに設置されている非常電話から連絡
・同乗者がいる場合は道路緊急ダイヤル『#9910』
衝突注意!急に車線変更する車
急に車線変更する車がいるとヒヤリとします。
料金所前後でもそのようなドライバーがいるので注意してください。
特に大型車との並走は厳禁です。死角に入り悪気なく車線変更してくる恐れがあります。
存在に気付かない…トンネル内でライトを点灯しないドライバー
トンネル内でライトを点けずに走行しているドライバーがいます。
ライトは前方を見えやすくするためだけでなく、自分の存在を他の車に知らせる役割もあるんですよ。
日中でもトンネル内は前照灯を点灯しなければなりませんが、他車の中にはライトを点けずに走行している者もいるので見えにくい!車線変更や合流時に注意が必要です。
ラッシュ時の渋滞は追突事故に注意
朝のラッシュ時に利用者の多いインターチェンジ出口の減速車線では、渋滞最後尾が本線車道の走行車線までつながっていることがあります。
追突事故を起こしてしまう可能性や追突事故に巻き込まれてしまう可能性があるので
電光掲示板・カーナビなどの渋滞情報を確認し、
前車の動き(進路変更して渋滞を避けている)や渋滞最後尾(大体ハザードランプを点灯している)に注意してください。
ETCレーンで思わぬスリップ!
ETCレーンでスリップする車を見かけることがあります。
原因はETCレーン通過時の減速が甘く、レーン上で急減速したこと。センサー設置のためか路面が滑りやすい箇所があるので、急減速するとABS(アンチロックブレーキシステム)が瞬間的に固まり、一時的かつ突発的に、簡単にスリップしてしまいます。
また、前走車のETC異常によりバーが開かずに目の前で急停止することもありますから追突事故にも注意が必要です。
早めに減速をして車間距離を十分にとりましょう。
ABS(アンチロックブレーキシステム)とは
急ブレーキを踏んだときにタイヤがロックされるのを防ぐ安全装置です。タイヤがロックされるとハンドルが効かなくなり制御できなくなってしまうので、現在の車にはABS設置が義務付けられています。
突然の落下物や他車の動きに注意しながら
早めの減速を心がける!
高速道路でペーパードライバーがやりがちなミスあるある
沢山の受講生を指導するインストラクターが見てきた、初心者やペーパードライバーがやりがちなミスを教えてもらいました。
高速入り口での分岐やその他分岐点で迷う
地理情報に乏しく、東方面か西方面に行けば良いのか(例えば京都方面か、静岡方面か)迷いながら運転してしまうペーパードライバーが多いです。
事前に主要な地名を頭に入れておけば、あせらずスムーズに運転できますよ。
運転中の錯覚
合流や車線変更時に、同一車線の後続車を右側の車線にいると勘違いしてしまうことがあります。
特に高速道路は道幅が広いので、同一車線上に自車が左寄り、後続車が中央もしくは右寄りを走行していると勘違いしやすいんですよ。夜間は尚更分かりにくいです。
対処法としては、通行帯区分線の左を走っているのか右側を走っているのか、ルーム&ドアミラーでしっかり確認しまし
ょう。
視野が狭く他の車の動きが予測ができない
3車線の高速道で一番左から真ん中へ車線変更する際、一番右を走行中の車両の動きまで予測できていないことがあります。
「自分と同じタイミングで右の車両が真ん中に来るかもしれない」
このように離れた車の動きも予測して、かもしれない運転を心がけてくださいね。
ETCレーンと一般レーンの区別がつかない
表示板にETCレーンと一般レーンのどちらか明記されているので落ち着いて確認しましょう。
紫色はETC専用、緑色は一般レーンなので慣れるまでは覚えておくといいですね。
また、「ETC/一般」の混在レーンもありますから慌てずに判断しましょう。
地形(上り下り坂)の変化を読み取れない
地形(上り下り坂)の変化を読み取れないと、車間が縮まったり広がったりします。
気付かないうちに前方との車間距離が詰まり、急停止に対応できなくなることもあります。
上り下り坂の見分け方は?
路面の標示や区分線、中央線等の見え方が見やすければ上り坂と言えます。
また、上り坂は速度も落ちやすく車間距離が離れていきやすいです。
エンジンの負荷(エンジン音)や勾配抵抗も感じとります。
下り坂の注意点
下り坂は速度が上がりやすく車間距離も近づきやすいので特に注意です。
※トンネル内は日中でも暗いため勾配の変化が読み取りにくく特に注意してください。
平坦な道、上り下り坂に関係なく速度を一定に維持できるのが理想です。
合流地点で追い越し車線に回避できない
合流車を迎える際、並進状態になってしまった時、追い越し車線に回避できない人が大半です。
回避できない場合は無理せず、アクセルオフか優しいブレーキで少し後ろへ下がります。
※高速走行中は空気抵抗も大きいため早めのアクセルオフで割と減速できます(下り坂を除く)。
エンジンブレーキを使えない
エンジンブレーキを覚えてますか?
アクセルペダルから足を離したり、シフトレバーをシフトダウンして減速させる方法です。
エンジンブレーキでリアタイヤにも荷重をかけてあげることで、減速中におけるクルマの安定感が増すんですよ。
また、長い下り坂などでフットブレーキを使いすぎると効きが悪くなくなる恐れがありますが、エンジンブレーキを使って防ぐことができます。
高速出口の減速車線は下り坂が多いので、エンジンブレーキを上手に使って減速してくださいね。
- 主要な地名を頭に入れて、運転前に準備する
- 他の車の動きを予測して「かもしれない運転」を心掛ける
- 上り坂・下り坂を意識して運転する
- 合流地点で追い越し車線に回避できない場合は無理せず後ろへ下がる
- エンジンブレーキを上手に使う
スクール紹介
おもいやりペーパードライバースクール (愛知 東京 大阪 神戸)
教習指導員資格を持つ元レーサーが「優しく・丁寧に・わかりやすく」教えてくれる出張型ペーパードライバー講習。
テレビやメディアにも取り上げられ、Googleクチコミ5.0評価継続中の実績のあるスクールです。
【所持資格】
教習指導員資格
技能検定員資格
運転習熟指導員資格
応急救護処置指導員資格
運転適性検査指導員資格
JAFモータースポーツライセンス(国際C)
【経験】
指定自動車教習所での教習指導員・検定員等
愛知県警交通講話講師
プロレーシングドライバー(四輪)
トヨタ自動車研修会インストラクター
GMジャパンインストラクター
フェラーリジャパンインストラクター
マクラーレン正規ディーラーインストラクター
皇室&要人運転手等