鹿児島の路面電車

路面電車のある街で生まれた編集部Hは、車と電車との距離が非常に近く感じて、子供ながらに怖いと感じていました。

路面電車は、東京の都電荒川線、鹿児島の鹿児島市電、広島の広電、岡山の岡電、熊本の熊本市電、高知のとさでん、松山の伊予鉄、豊橋の豊橋鉄道、北海道の札幌市電、函館市電、富山の富山市電など、各地にあります。

路面電車が走る地域では、路面電車と車が並走する場面があります。運転に自信のないペーパードライバーの方にとって、路面電車が走る道路を運転するのは、普段走っている道路とは違う交通ルールや注意点があるため、不安に思う方もいるでしょう。

そこで今回は、出張型ペーパードライバー講習のプロとして、数多くの受講者の方を見てきたオフィシャルドライブ鹿児島の田之畑さんに、路面電車が走る道路での運転のコツを聞きました!

知っておきたい!路面電車と車の交通ルール

軌道敷と安全地帯

 

Q1:路面電車が走る道路の交通ルールを教えてください

田之畑さん:路面電車の線路部分を「軌道敷(きどうしき)」と呼びます。

軌道敷内では、左折、右折、横断、転回のために横切る場合、又は危険防止のためやむを得ない場合(道路交通法第21条第1項)、道路の幅が狭かったり、道路の損壊や工事などのために、軌道敷を除いた道路の幅が車両の通行に不十分な場合、「軌道敷内通行可」の標識がある場所を除いて、車両の通行が禁止されています(同条第2項)。

車両が軌道敷内を通行する場合は、路面電車が近づいてきたときには、その正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに軌道敷の外に出るなどしなくてはなりません(同条第3項)。

POINT

原則:自動車は軌道敷内を走行することはできません。

例外:以下のような場面では、通行が認められます。

  • 左折、右折、横断、転回のために軌道敷を横切る場合
  • 道路の損壊や工事などで、軌道敷外の道路が十分な広さでない場合
  • 「軌道敷内通行可」の標識がある場所

どこで待つ?路面電車が通る道路での右折

軌道敷内の車の走行

Q2:軌道敷付近で、ペーパードライバーが戸惑う場面はどこですか?

田之畑さん:軌道敷を右折で横切る際「対向車が途切れるまでどこで右折待ちをすればいいか分からない」という方が非常に多いです。

軌道敷内に侵入し右折待ちをすると、後方または前方から路面電車が接近して来た際、路面電車の通行の妨げになってしまいますので、軌道敷外で右折待ちをしなければなりません。

POINT

正しい右折待機場所は「軌道敷の外」です。

ここが危ない!後方から来る路面電車

後方から来る路面電車

Q3:今までの講習で、指導員から見て「危ない」と思った場面はありますか?

田之畑さん:危険な場面は、右折待ちをしていて、対向車が途切れたので右折を開始しようとした際、後方から路面電車が来ていた、という場面です。
対向車ばかり気にしていて、後方からの路面電車に気づかず、路面電車と接触事故を起こすという事故も多いです。

POINT

対向車だけでなく、後方からの路面電車にも注意が必要です。

路面電車が走る道路を運転するときのポイント

Q4:路面電車が走る道路を運転するときのポイントを教えてください。

田之畑さん:焦らずに、しっかりと右折待ちをすべき場所を把握し、後方からの路面電車をドアミラーで確認し、ゆとりを持って右折することです。

POINT
  • 右折待ちの場所をしっかり把握する
  • 対向車だけでなく、ドアミラーで後方からの路面電車も確認する
  • 余裕を持って右折する

つられないで。路面電車専用信号の覚え方

路面電車の信号

Q5:路面電車専用の信号は普通の信号とどう違いますか?

田之畑さん:路面電車専用の信号は、一般車両用の信号とは表示が異なります。黄色の矢印、赤色の×印で表示されます。自動車は緑色の矢印で表示されますので、緑色の矢印に従って走行する必要があります。

POINT
  • 路面電車用信号:黄色い矢印、赤い「×」印
  • 一般車両用信号:緑色の矢印
    路面電車専用の信号につられて動かないように注意しましょう。

まとめ

路面電車が走る道路は、慣れないうちは緊張するかもしれませんが、焦らずに落ち着いて運転すれば安全に通行できます。

今回お伝えしたポイントを頭に入れて、右折のタイミングや待機場所、そして後方確認を徹底すれば大丈夫です。

もし「ひとりで運転するのが不安」と感じたら、路面電車が走るエリアでのペーパードライバー講習を体験してみるのもおすすめです。

オフィシャルドライブ鹿児島

鹿児島拠点としては、唯一の出張型ペーパードライバースクール。

インストラクター 田之畑さん

自動車学校で長年の指導経験を積み、いつでも気軽に運転を学べる出張型講習を始めました。お客様一人ひとりに寄り添い、「安全」で「楽しい」運転をサポートします。

【保有資格】
・教習指導員資格
・中型自動車
・大型自動二輪